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祭り情報

ニッポンの奇祭「千葉県のあらい祭」



千葉県の芝山町にある大宮神社と、その地元である山田という集落では、「子どもたちが神官たちに道端で大根を投げつける」という、それだけを聞くとまた罰当たりな!と思うような「あらい祭」が150年以上に渡って行われています。しかし、この祭りの風習にももちろん、その土地が育んできた歴史が隠されているのです。

大根と子孫繁栄

大根と子孫繁栄

まず祭りの当日ですが、この日は集落内のどの家も火を炊かず、祭りの当番の家に集まり、ご飯と味噌汁、つけもの、煮付けなど"神の食"と呼ばれる食事を食べて祭事を祝います。これを"鍋かけず"の習慣といいます。

この時の祭壇には大根などで作られた、男性器と女性器を模した"神物"が飾られるのですが、その中で獅子舞が無病息災を願って神楽を舞い踊ります。そして獅子が"神物"を手に取り、集まっていた新妻の食前に出すのですが、これは子孫繁栄・子宝受恵の願ってのことだそうです。

大根と元気な子どもたち

大根と元気な子どもたち

食事が終わると、いよいよメインイベントの開始。神官たちが当番の家から出て行くと、畑の脇に置かれていた大根の輪切りを手に取りながら少年少女たちがスタンバイ。神官たちがやってくると、一斉に大根を投げつけ始めるのです。さらに神社の正面では1ヵ月前から男の子たちが用意していた、カヤと竹で建てられた小屋に着火。この二大妨害で神官たちが神社に戻る邪魔をするのです。神官たちは大根を食らいながらも燃え上がる正面を避け、横から神社に逃げ込み、イベントは終了。その後は神前で祝いの儀が執り行われ、祭りは終了となります。

なぜ大根を投げるのか

なぜ大根を投げるのか

さて、どうして子どもたちが大根を投げるのかというと、それは「元気を証明するため」です。実は神官たちが神社に帰るのを阻止する一連の流れは、この地でかねてより頻繁に起こっていた合戦をイメージしたものなのです。元々この地は戦火が絶えなかった土地であり、今でも町中には火の見やぐらが多く建っているほどです。そんな合戦に見立てて小屋に火を放ち、大根をぶつけ神官たちが帰るのを阻止することで、子どもたちが"元気に育っていることの証明"とみなされていたそうです。

こんな風習が生まれたのは、前述の通り「この地域には戦火が絶えなかった」ことが理由です。"鍋かけず"の習慣が生まれたのも、戦中の火を恐れてのことだったのではないでしょうか。また戦に頻繁に巻き込まれていた地域だからこそ、子孫繁栄・子宝受恵が望まれていたのだとも考えられます。このお祭りは、神への祈りとともに、この地域が置かれていた「環境」によって生まれた祭りだと言えるのではないでしょうか。