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ニッポンの奇祭「沖縄県のパーントゥ」



本島でもお馴染みのエイサー踊りやシーサーなどをはじめ、独得な伝統芸能や文化を数多く持っている沖縄。その中でも宮古島の小さな集落で毎年行なわれている「パーントゥ(正式名称はパーントゥ・プナハ)」という祭事は、ひときわ神秘的かつ恐ろしい雰囲気を持つ祭りです。

市街で行なわれる鬼ごっこ

市街で行なわれる鬼ごっこ

このパーントゥがどういう行事かというと、ずばり「"パーントゥ"と呼ばれる全身泥まみれで奇妙な仮面を被った神に扮した3人が、集落内の人々を追いかけまわし、捕まえた人に泥を塗りたくっていく」というもの。簡単にいえば「神と人との鬼ごっこ」のようなものです。とはいえ塗りたくられる泥は本物で、一度塗られたらかなりの匂いが残る上に彼らは停めてあるパトカーでも新築の真新しい家でも入り込んで泥を塗りたくっていきます。そして何よりその姿がちょっと怖い。全身に泥とつる草をまとった真っ黒な姿で、集落に伝わる木製の仮面を被ったその姿はまさに異形の神といった出で立ち。そんな異様な影が追いかけてくるのですから、恐怖で泣き続ける子供の姿も見受けられるほどです。

ここだけ聞くと追いかけられる側にとってははた迷惑な行事にしか思えませんが、この泥にもちゃんとした意味があります。彼らに塗られる泥には厄を払う効果があり、泥を塗られるとその場所の調子がよくなって、無病息災につながるとされているのです。人体以外にももちろん効果はあり、家の中に泥を塗られると悪霊払いにもなるそうです。なので、人々は悲鳴をあげ逃げ惑いながらも、ご利益のある泥をたくさん塗られようとするのです。

追いかけてくる神の正体とは?

そんなありがたいような迷惑なようなパーントゥですが、彼らは一体何者でどんな神様なのでしょうか? このお祭りの起源は、昔島尻の集落の海岸に赤と黒の謎の仮面が流れ着いたことに端を発します。この仮面を当時の人々が海の彼方からやってきた来訪神として崇拝するようになり、男たちが仮面を被って集落を駆けまわっていたことが現在のお祭りの形の原型といわれています。宮古方言でパーントゥとは「鬼神・妖怪」、プナハは「祈願祭」という意味で、つまりパーントゥ・プナハとは「海の向こうからやってきた鬼神による祈願祭」という意味になります。

そんなパーントゥですが、重要無形民俗文化財に指定され、目当ての観光客が訪れるようになった現在でも秘密の多い祭りです。一般の人たちに公開されるのは前述の追いかけっこのみで、パーントゥが作られる様子は一切見ることができません。唯一「生まれ井」と呼ばれる井戸で生まれることは知らされていますが、その途中の様子や巫女たちが祈る様子などを知ることは禁忌とされ、全て古から伝わる様式に厳粛に則って行なわれているそうです。現代でも海の向こうからの神様を迎え、厄を払ってもらう、という信仰心と感謝の心があってこそなのでしょう。

沖縄ならではの伝統と厳粛な信仰心を根底に持つこの祭りですが、泥塗りの追いかけっこは子どもたちの笑い声と悲鳴が絶えない、賑やかなものです。お祭りの途中には休憩をすることもあるし、宴会中の家に入りお酒をもらうこともあります。人々の厄を払い、集落に活気を与えながらも、現代の神様たちは楽しんで追いかけっこをしているのです。