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花火大会情報

手筒花火



抱えた竹筒から天高く火焔を噴き上げる手筒花火は、愛知県東三河地方に伝わる伝統的な花火です。体に降りかかる火の粉をもろともせずに仁王立ちする男衆の姿は勇壮で、噴き終わりに炸裂する轟音までが彼らの晴れ舞台です。

上げる本人が作る花火

上げる本人が作る花火

その構造から仕掛け花火の一種に分類される手筒花火の最大の特色は、花火を上げる本人が自らの手で花火を作ること。当然、火薬を扱う危険な作業のため、専門の煙火業者の指導や講習のもとで製作されることが一般的です。

豊橋市や豊川市など手筒花火の本場では、神社への奉納として手筒花火が行なわれることが多く見られます。夏の祭礼の一月程前になると手筒花火の製造が始められ、その製造過程は、以下の通りです。

手筒花火の製造過程

手筒の材料になるのは孟宗竹というタケの一種。若い竹は割れやすいため、3年以上育った物を使用する必要があるのです。その後、切ったタケの節を落とす作業が行なわれますが、火薬が節に詰まると火焔がうまく上がらないため、きれいな花火を上げるためにはこの節をしっかりと落とさなくてはならず、丁寧なヤスリがけが欠かせません。その後、タケの強度を増すために湯で煮たり火で炙ったりする「油抜き」という作業を行ないます。

筒ができたら、次に行なうのがタケの横割れ防止のための「縄巻き」。まず南京袋で巻き、その上に細縄、太縄の順に巻き付け、これで手筒本体の完成です。祭礼の一週間程前までにはここまでを完遂します。

祭礼まで3日程に迫ると、はじまるのが火薬のすり合わせです。焼酎で黒色火薬と鉄粉を掛け合わせた物を、大きさ別に3種類作ったのち、小さい物から順に手筒に詰めていき、「込棒」と呼ばれる専用の木の棒で火薬をしっかりと詰め込んでいきます。最後に「ハネ粉」を入れ、新聞紙を詰めますが、この部分が火焔噴出の最後の「ハネ」となる重要な部分なのです。

最後に火焔の噴出口を開け、手筒花火が完成します。

手筒花火の奉納の手順

手筒花火を上げる際に最も危険なタイミングは、点火時。そのため、手筒花火に慣れたベテランがその役目を負うことが多く見られます。

  1. ①地面に横向きに置かれた手筒花火に点火し、火焔がシューっと音を立てながら勢い良く噴出したら手に持ち斜めに構える。
  2. ②点火者の指示により手筒は少しずつ起こされ、垂直方向に保つ。放上者は足を踏ん張り腰を落とし、最後のハネまで火焔を放出し続ける。
  3. ③ドーン!と爆音と共にハネ粉が大きく爆ぜ、手筒花火の一連が終了。

手筒花火の本場・東三河

この手筒花火は愛知県豊橋市の吉田神社の発祥と言われています。そのため豊橋市や豊川市などの東三河地方から静岡県西部の遠州地方にかけて現在でも上げられており、中でも東三河はその本場として有名です。

前述の通り手筒花火は、五穀豊穣、無病息災、家運隆盛などを祈るための奉納行事。そのため、使用後の手筒も厄除けや魔除けのご利益があるとされており、東三河では花火を上げた本人は祭礼後の一年間、手筒を軒先に置いておく風習が現在でも見られます。また、商売繁盛を祈願して飲食店などの店頭に飾られていることも多く、手筒花火が果たしている役割の大きさは、この地方の文化にしっかりと根付いていると言えるでしょう。