
穂高神社のお船祭りは、毎年9月27日に船の形をした山車を引くお祭りです。そして祭りのクライマックスは、それぞれの山車をぶつけ合うというものです。 この穂高神社に限らず、周辺の地域のお祭りでは、他にも舟形の山車を引く風習が見られます。 安曇野市の穂高神社は、長野県の松本盆地というところにあり、北の日本海岸の糸魚川市まで100キロぐらいの距離の場所にあります。 この様に、海とはあまり縁がなさそうな地域で船のお祭りというのは、何だか違和感も覚えます。 ところが、歴史をたどると安曇人のルーツは、北九州にいた民族だという説があります。 その昔、安曇人の祖先が北九州から全国に散り、その一部が新潟県の糸魚川市にたどり着き、姫川を遡って今の安曇野までやって来たというものです。 それが、安曇野各地のお船祭りという形で、後世に受け継がれてきたということです。 穂高神社のお船祭りは、山車の大きさといいその迫力といい格別で、長野県の無形民族文化財にも指定され、太古に思いを馳せることのできる行事なのです。